タイトル通りのなんてことないオタクの戯言なのですが、よろしければお付き合いください。
『推し作品を最後まで見届けられたらオタク人生に悔いはない』
そう思って生きてきた、アラサーオタクのえいせと申します。
そんなオタクに、本当に推し作品の最後が訪れました。アニポケ(サトシの旅)の最終回。私がオタクになるきっかけとなった作品です。
今、最終回を迎えてからこの記事を書いているのですが、本当に悔いはないです。多分すっぱりオタクを辞められる。辞めないけど。すっきりした最終回でよかったです。結論はこれに尽きます。いい人生だった。
アラサーにとっての26年、気がついたらほとんど人生でした。そんな人生を振り返るだけのお話です。
オタク人生の区切りみたいなものを迎えた人間の話にしばしお付き合いください。
〝今〟が思い出になっていく感覚を味わう
私はアニメ(無印初期)でポケモンを知り、アニポケで育ち、人生の8割以上をかけてサトシの旅を見てきた世代なので、サトシがいるポケモンと一緒に育ったと言っても過言ではないです。
小学生になっても、中学生になっても、高校生になっても、大学生になっても、社会人になっても、ずっと26年ものあいだ、可能な限りリアルタイムでアニメ視聴をしていました(携帯電話のワンセグ機能は神だった)
今でこそオタク文化は大衆的になったし、幅広く受け入れられるようになっているけれど、私が子供の頃はそうでもなくて、小学校高学年あたりからはアニポケを見続けている、アニメを卒業できないちょっと変な子だと思われていました。なので、私くらいの世代だと「151(匹)しかわからない」「金銀までは見てた」なんて人がすごく多いんですよね。
そんな感じで全シリーズ見続けていたので、私にとってのアニポケって常に「懐かしいもの」ではなくて「今のもの」でした。同世代の人と話すといつもそういう「昔見てた〜!」という話になっているのが悲しかったです。友人にとっては過去の話という、自分とのギャップが辛かったのかもしれません。
可能な限りリアタイしたいので学生時代はアニポケの放送日はバイトを入れなかったし、社会に出てからは携帯電話のワンセグ機能で帰宅しながら観たりしていました。もはやあることが当たり前の日常。
それが確実にちょっとずつ、みんなと同じようにサトシの旅が思い出になっていくのが多分寂しいのだと思います(こう書くと失恋みたいだな)。
ロスってやつなのでしょうかね。
貧困でも家庭環境がクソでもアニメは見られたから楽しく生きてこられた
そもそも何でゲームではなくアニメの方に熱心になったのかというと、シンプルにゲームを買ってもらえなかったんですよね。親がゲームを良く思っていないし、自分が思っていた以上に貧困家庭でした。
まだ家計に余裕があった頃は、粘りに粘ってやっと中古のゲームボーイポケットとピカチュウ版を買ってもらって。ゲームボーイカラーも粘ってやっと買ってもらって。ゲームボーイアドバンスは妹と2人で1台を共有(祖父に2人分の誕生日プレゼントとして買ってもらった)。アルバイトをするようになってDSを自分で買って、すごく遅れてDSタイトルをプレイしてたような状態。ゲームを買えない分は書籍のぜんこく図鑑(鈍器のような分厚さのアレ)を買って読み込んでました。
でもテレビはすぐに観られたから! ゲームをすぐにプレイできなくても、アニメで毎週新しいポケモン、新しい街、新しいジムリーダーに会えたから。だから私はアニメのポケモンが好きになったのだと思います。
映画についても、家の近所に映画館がなくて、映画館は年に1回しか連れて行ってもらえませんでした。その年に1回をポケモンに使っていました。だから映画を見に行くのは一大イベントだったし、映画も含めてよりアニポケを好きになれたのだと思います。(映画館で観てよかった映画No.1は観た後に映画連動のポケモンパン(ルカリオのチョコパン)を買ってもらった思い出込みでルカリオです。ポケモンパンによる思い出補正。)
結局我が家は家庭崩壊を起こしてしまったし、私自身がそんなに人付き合いも上手くなくて家にいても学校に行っても腹痛で毎日呻く程度には辛かったのですが、それでも毎週放送される大好きなポケモンを楽しみにここまで生きて大人になれました。生きる楽しみをくれてありがとう、ポケモン。
アルバイトができる年齢になってからは自分で稼いだお金で映画を観られるようになりました。映画の初日舞台挨拶というものがあることもそこでやっと知りました。ダークライからは初日舞台挨拶の争奪戦に参加してました。「夏はポケモン!」ってやる映画のCMにも映り込みました。立派(なオタク)になったものです。そうやって、生きる理由の一部になってくれてありがとう。
みんなで大人になったのだと新宿駅で思う
新宿駅の東西自由通路のモニターで行われていた最終回の告知、朝早い時間に観てきました。
公式で映像を上げてくれていますが、やっぱり自分の目で見たかったのと、恐らくこれがサトシのアニポケ最後のリアルイベントになるからです。
で、以下が現地の写真の一部になります。本当にこんな感じでした。
床に緑の養生テープが貼ってあり、通行量が増えてくるとこの線の中でしか撮影できない誘導になっていました。人が少ない時間に行ったので誘導もなく、引きで撮影できました。
時間が経過するごとに人が増えていくのですが、三脚構えてる人もいたり、マイク付きのカメラ回してる人がいたり。さらにいろんな年齢の方が通り過ぎるので聞こえてくる会話が様々で。
OPのタイトルやキャラを観て懐かしいと感じる箇所がみんな違っていること
多分朝早くから熱心に撮影してる人は私と同世代で、一緒に大人になった人だなって感じもあり
何故かみんなバンギラスはわかってた(この知名度は何?)
こんなにたくさんの人と一緒に同じものを好きになって同じ時間を生きてきたのだと思うと、やっぱりポケモンって人生だなあと思いました。
そして、まだ小学生にもなってないような子供は新しい主人公のリコとロイを親に説明しながら歩いていたり。新しい時間はもう始まっているのだと、そこで気付かされました。通りがかりのキッズ、ありがとう。君もリコとロイとたくさん思い出を作っていくんだと思うよ。
気づいたら3時間くらいこの場所にいたのですが。人が多くなって警備員さんが増えてきたところで退散しました。
劇場版を含めて残った謎を全部回収して、ありふれた日常を見せてくれたから気持ちよく最後まで見届けられた
ここからはただのオタクの感想です。
ゴウとコハルとの旅が終わってからのアニポケ、劇場版を含めてやり残したことを全て回収して行っていて遺恨を残さない作りになっていたのでシンプルに嬉しかったです。
可能な限り全ての旅の仲間を出し、一時のお別れをしていたポケモンを片っ端から出し、直近の劇場版の方の話にも区切りをつけ。
ラティオス回では劇場版の劇伴(BGM)をたくさん使って劇場版のような構成になっていたので、大盤振る舞いでした。コロナ禍で新作のポケモン映画自体が上映されなくなっていたので、これはその分のサービスみたいな面もあるのかなと思ったり。(冒頭のアバンBGM、悪役が定番のハンター、ファウンスのオマージュのような場所、劇場版ありがちな石化、ラストの水の都の護神へのつながり)
劇場版を支えてくれていた会社の数は物凄いんですけど(映画のエンドロールでは上映劇場全ての名前が出ます)、そういう劇場版を支えてくれた会社や人もアニポケを作る上で欠かせなかったのだと思い出しました。振り返ると劇場版の「ココ」でサトシの父親が話がされたのは、すでにアニポケの最終回の話があったのかもしれませんが、出す箇所としては大正解だったなと思いましたし、映像で触れられた場面があってよかったなと思います。
最終回ではこれまでのアニポケではほとんど描かれてこなかった四季の移り変わりがしっかり描かれていて、時間が進んだことを感じました。スイカ食べてたり、桜の花が咲いたり。
(ピカチュウのなつやすみとかふゆやすみとかひな祭り回とかこどもの日回とか無印の初期にあったあれそれは一旦置いておきましょう。だってここまで長期シリーズになるなんて誰も思ってなかったんだから。というか覚えてる人ってどれくらいいますか?)
Twitterでトレンドになっていた「最高のボロボロ靴」も、サトシはシリーズが変わるごとに靴を履き替えているので厳密にはあれは今回の旅でのボロボロ靴なんだけど、そんなボロボロになるほどの大切な思い出がシリーズの分だけ何個もあるのと、多分それを観て受け取った視聴者の数だけあるのがとても……エモい。
繰り返すようではありますが、すごく壮大な終わり方ではなく、当たり前のように時が流れて成長していく終わり方だったのが個人的にはとても好きです。たくさんの旅の思い出はあるけれど、根底にあるものって、人生ってこれくらいシンプルなんですよね多分。
これからの我々視聴者の人生も続いていくように。
アニポケのオタクでいてよかった!
『ポケットモンスター』というアニメ作品に対して、今までの人生のほとんどをかけて日々愛して、ここまで長い間同じものを飽きもせず好きでいることができた自分を、今は少しばかり誇らしく思います。
同じものをずっと好きでいられる、ということが長所なのかもしれません。
何に活かせるのかもわからない長所だけど、そんな自信を与えてくれてありがとう。ずっとアニポケのオタクでいてよかった!
で、サトシの旅はこれからも見えないところできっと続いていくのですが、アニポケ自体は続いていくんですよね。
今からサトシの旅1200話以上を履修しない?(個人的に万人におすすめできるのはXY。サトシの旅と並走しているメガシンカシリーズもセットで見て。頼むから。AGのポケモンコンテスト周りのキャラも癖が強くてあまりにも良すぎるから見て。これは沼。手持ちポケモンのチョイスが最高。現在全シリーズ、主にアマプラで見られます。)と言うのは酷ですが、これから始まる第1話を観ない?というのは簡単なので。
皆さまもこれからのアニポケと一緒に人生を歩みませんか!!(露骨な勧誘)
楽しいことや心の支えはいくつあっても良いものだと思うので、これからのアニポケが人生になる人や、救われる人もきっと出てくると思います。そんな、新しい人生の一部をこれからも多くの人と共有できたら良いなと新アニポケに向けて思います。
それではここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
良いポケモンライフをお過ごしください。
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