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みなさまこんにちは。乙女ゲームを積みすぎた乙女ゲーマーのえいせです。
こちらの記事では現在は発売から年数が経った旧作ゲーム、環境上プレイが難しいゲーム、コンテンツはあるけどサービスが終了したゲーム等紹介していきます。
元ゲーム業界の人間なので、制作視点感想も残せたら。
自分がプレイした乙女ゲームのlogも兼ねています。
※乙女ゲームという特性上、シナリオ面のネタバレはほぼありません。情報まとめ、ざっくりした感想です※
今回はQuinRoseの『マザーグースの秘密の館』です。
『マザーグースの秘密の館』とは
- 発売日 2011年6月23日
- メーカー QuinRose
- 対応機種 PSP
- CERO B
- 主要キャスト 櫻井孝宏、森川智之、鳥海浩輔、諏訪部順一、安元洋貴
今はなきQuinRoseのマザーグースを題材としたタイトルが『マザーグースの秘密の館』です。
幼い頃に読んでいたけど、存在をすっかり忘れていた本。主人公はある日その本を手にしたことにより、本の世界へトリップしてしまいます。そこで出会うのは、主人公が再度本を読んでくれるのを待ち侘びていた彼ら。主人公が元の世界に戻るには、彼らが出題するこの本——マザーグースのクイズに正解しなければなりません。主人公は彼らと過ごしながらクイズに正解して元の世界に戻ることを目指します。
と、いうのが大まかなあらすじです。ゲームシステムは1キャラにつきマザーグースの話の中からランダムで100問出題、10問正解ごとにイベントが発生し100問正解するとエンディング(各キャラ1種)を迎えられます。3択から選択、時間制限なし、カンニングOKですが10問連続で正解しなければシナリオは進みません。ルート分岐がなく、オートセーブされるのでとにかくクイズに正解し続けるゲームです。
マザーグースクイズに特化した分、乙女ゲームなシナリオ部分は薄いです。マザーグースを覚えるゲーム。100問正解の全10話構成なので仕方ありませんが、シナリオの密度的にあと5話欲しいところ。キャラは良いです。
キャラ紹介
アーサー=リンドグレン(CV櫻井孝宏) 主人公が滞在する屋敷に訪れる貴族。金髪にジャケットスタイルのいかにもな王道貴族の見た目です。主人公がクイズに正解する度に散歩に連れ出し、貴族の嗜みや生き方、英米文化を詳しく教えてくれる優男です。このルートの主人公はかなり強めにツンケンしているので、そんなタイプの主人公と典型的優男貴族が好きならこちらへ。
ツェザーリ=フリッチ(CV森川智之) 主人公が過ごす館で研究を行っている学者。黒髪長髪メガネタバコというこれまた需要がありそうな見た目です。専門がギリシャ神話を中心とした宗教学で、一緒に過ごすと身近なものに纏わるギリシャ神話を教えてくれます。とても教養が身につく……!!クイズを答え続けるというシステムと、学者というキャラが噛み合っていてシナリオが綺麗にまとまっている気がしました。こちらのルートの主人公はツンケン度低く学びを楽しんでいます。
エリック=バレル(CV鳥海浩輔) 屋敷に御用聞きとして出入りしている青年。赤い上下のセットアップに帽子、攻略対象の中では若くフレンドリー。他のキャラと比べると階級の低い彼なので、おそらく苦労人。下町で働く彼からは、アーサーとは真逆で市井の人々の暮らしを知ることができます。親しみやすさからか、このルートの主人公はかなり柔らかいです。クインロゼの味がする男。
バッカス=ムーア(CV諏訪部順一) 屋敷の料理人で、街ではパブを営んでいる人物。ベストにカフェエプロンをした、パブというよりカフェにいそうな雰囲気の人。主人公、ツンツンしつつも案の定餌付けされているし、主人公を惹きつけるのが上手い男。料理知識がやたら深まるシナリオです。未成年の主人公に対して飲酒文化を気遣ってくれるし、愛情表現もストレートだったのでかなりまともな大人。
ヴィンセント=ノーブル(CV安元洋貴) 近くにあるパブリックスクールの学生。個人的にツェザーリに学びに来ているため屋敷に出入りする青年。主人公が長らく本のことを忘れていたことを一番恨んでいるため、主人公に対して当たりが強い。委細を省くとノンデリタイプです。作中最年少で主人公と年が一番近く、多分似たもの同士。彼からは雑学〜文系の教養の類いの話を聞くことができます。
【こんな要素が好きな人におすすめ】マザーグース、英米文化、絵本の挿絵を見るのが好き、ネイティブ発音でマザーグースを覚えたい
マザーグース
ゲームのタイトルにもなっているように、マザーグースが好きな方や興味があるけど入口が分からない、という方におすすめ。203のマザーグースの唄を厳選し収録しています。
マザーグースの唄を日本語朗読、英語朗読、解説つきでクイズを出題してくるので半ば強制的に覚えられる仕組み。
朗読だけ再生したり好きな唄はお気に入りに入れることができたりと、ゲームというよりライブラリ要素が強いです。最早ライブラリとして優秀すぎる。マザーグースガチ勢一回やって感想聞かせてください。
唄の厳選と訳、解説はマザーグース学会会長・藤野紀男氏の書き下ろしのため、マザーグースの内容については間違いないのではないでしょうか。発売から経った令和の現在では、オーディオブックとしてあってもおかしくなさそうな勢いです。
ちなみに203の唄が収録されていますが、クイズは1つの唄から複数出題されるため、唄の倍以上のクイズがあります。
英米文化
主人公がトリップした本の中は具体的にどこの国と明言されていませんが、マザーグース自体がイギリスで伝承されてきた童謡の類いのため作中の雰囲気はおおよそイギリスです。都市部ではなく貴族が治める領地くらいの郊外感。あくまでもマザーグースに基づく本の世界です。
年代は不明ですがわりと現代的な主人公との会話が成立しているのでまあ現代でしょう。
そんな世界で生きる彼らと交流を深めていくので、彼らの立場を通して英米文化を教えてもらえます。例えばアーサーは貴族なのでその嗜みについて詳しく教えてくれたり、バッカスは料理人なので料理について詳しく教えてくれます。
あまりに詳しいので英米文化の教養が身につく。明らかに制作に英米文化好きな人がいる。
絵本の挿絵を見るのが好き
朗読再生画面では、収録されているすべての唄に対して1枚1枚描き下ろされた絵本の挿絵のようなイラストが表示されます。
イラストレーターも多岐に渡り、様々なタッチの絵が見られるので本当に絵本のようです。担当イラストレーターは以下の方々。
- 山本二三氏
- 藤丸豆ノ介氏
- 沖津志明氏
- 白浜鴎氏
- ハモンド華麗氏
- 赤木俊介氏
- 24氏
- 海鵜げそ氏
攻略対象とのスチルより、挿絵イラストの方が枚数多い。
特に山本二三氏はジブリ作品の『天空の城ラピュタ』や『もののけ姫』の美術監督を担当されており、豪華版の特製冊子には『千と千尋の神隠し』の千尋のような少女のイラストが寄稿されています。贅沢過ぎて目を疑いました。思わずGoogleで画像検索したところ、一致するイラストはものはないものの描いたのは山本二三氏であろうという説明が出てきたので、おそらく本当にこの冊子でしか見られない貴重なイラストです。逆にGoogleでそこまで描いた人がわかるんだ……。
藤村豆ノ介氏は新装版ハトアリなどでお馴染みの方。本作のキャラデザ担当でもあるため、担当イラストには攻略キャラが描かれているものがあります。イラストレーターから唄検索をする機能があるため、この機能でイラスト確認推奨です。また、特製冊子にはハトアリのアリスのイラストが寄稿されています。こちらもなかなかにレアなイラストでは?
ネイティブ発音でマザーグースを覚えたい
このゲームではマザーグースの唄を攻略対象キャラのキャストが分担して朗読したものが収録されているのですが、同時に英語版のネイティブ発音の朗読が収録されています。
このゲームで気合入ってそうなポイントのひとつが、この朗読です。
男性英語版朗読にはセイン・カミュ氏を起用しており、英語版だとより内容が理解できます。童謡なら歌っている、韻を踏んでいる唄なら韻を踏んで発音されている、しかも聞き取りやすいので英語版朗読の再生がおすすめです。日本語に訳すると韻を踏めなかったり、メロディに日本語を正確に乗せることができないため、英語で聞くと耳馴染みがよかったり、聞いた事あるメロディだぞ?となるのでより親しみやすくマザーグースを聴けます。
英語の難易度としては、そもそも子供向けの内容のため低めです。ひねりがある唄だと難しいですが、アルファベットの覚え歌なんかもあるので英語初心者でもいけると思います。内容が理解できなくても解説がしっかりあるので、日本語では理解が難しい英米文化に根付いた表現もわかりやすくなっています。
ゲーム屋視点でここがすごい!
恋愛要素捨て気味こだわりのマザーグース一点特化勝負
これもう乙女ゲームというよりマザーグース覚えゲームなんですけど、乙女ゲーム要素かなぐり捨ててでも出したい、というマザーグースへの熱意を感じます。
そもそもQuinRose発足時から企画&シナリオの五月攻氏がマザーグースを題材にしたタイトル作りをやりたかったそうで(豪華版特製冊子より)、このブランドの根底がマザーグースの童話だったと思うとブランドの方向性に納得がいきます。
また、『マザーグースの秘密の館〜BLUE LABEL〜』という男主人公バージョンのゲームも出ています。キャストは釘宮理恵さん、伊藤かな恵さん、花澤香菜さん、豊崎愛生さん、田村ゆかりさんとこちらも豪華。
ここまでやると、全オタクにマザーグースを叩き込みたいという強い意志すら感じますね。
全員のクイズをクリアすると解放されるシナリオがあるのですが、このシナリオに製作陣が一番伝えたかったことが詰まっています。個人的には、マザーグースへの愛を感じられてとても好きでした。
今からやる方法は?
PlayStation Portable(PSP)でしか発売されていないので、中古で探してください。
平成生まれ的にはPSPはレトロゲームではない気がしますが、時代の流れ的にはもうレトロゲームの領域になって参りました。発売元のQuinRoseも今はなき会社ですし。一番売れていたアリスシリーズはオトメイトが拾ったので、そちらは移植やリメイクの期待ができますが本作は難しいかと。
中古市場にはそれなりにあるのとプレミア価格はついていないことがほとんどなので、PSPを起動できさえすればわりと簡単にプレイできます。豪華版特典の冊子に価値がありすぎるので、マザーグースのイラスト目当ての場合は豪華版購入推奨です。イラストレーター全員のインタビューが掲載されています。
だいぶニッチな作品ですが、マザーグースのライブラリとしては優秀だと思うので、しっかりマザーグースの世界に触れたい方は是非手に取ってみてください。
それではここまで読んでくださりありがとうございました。



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